花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の治療について

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)のイメージ写真

毎年2月から4月終わり頃もしくは5月いっぱいまで、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・目のかゆみでつらい思いをされている方も多いと思います。花粉対策グッズなどで耐えられる程度ならよいのですが、薬を用いたり舌下免疫療法を受けたりすることでだいぶ楽に過ごせるようになります。お困りの方はぜひご相談ください。

よく使う薬として下記の薬があります。

  • 抗ヒスタミン薬(主に第二世代)、ディレグラ
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬
  • セレスタミン
  • 点鼻薬(ステロイド剤、血管収縮剤を含むもの)
  • 点眼薬(抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬)

抗ヒスタミン薬(主に第二世代)、ディレグラ

くしゃみ・鼻水の症状が強い場合に用います。第一世代の薬(ペリアクチン、アタラックスP、ポララミンなど)は副作用として眠気や集中力の低下、口の渇きや便秘などが目立ち、あまり用いられません。第二世代の薬の中でも眠気などの副作用が少ない薬が主流となっています。一般的に眠気が出にくいといわれているのは、フェキソフェナジン(アレグラ)、ロラタジン(クラリチン)、デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア)、少し眠気が出やすいものとしてオロパタジン(アレロック)、セチリジン(ジルテック)が挙げられます。

また、ディレグラという既述のフェキソフェナジンに血管収縮作用を持つプソイドエフェドリンを加えた薬があります。鼻粘膜の充血を抑えて鼻詰まりを改善する効果がありますが、血圧上昇・不眠・イライラ・頭痛などの副作用もあり、高血圧・糖尿病・虚血性心疾患・眼圧上昇・甲状腺機能亢進症・前立腺肥大・腎機能低下の方には使えません。また添付文書上で2週間超の安全性の検討がなされておらず長期の処方は勧められません。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

鼻粘膜の腫れを抑制するため、抗ヒスタミン薬より鼻詰まりの改善効果が期待できます。プランルカスト(オノン)のみがアレルギー性鼻炎の保険適応となります。眠気はかなり少なく、抗ヒスタミン薬と併用が可能です。

セレスタミン

第一世代の抗ヒスタミン薬(d-クロルフェニラミン)と副腎皮質ステロイド(ベタメタゾン)を含む薬で症状が強い花粉症に対して短期的もしくは頓用として用いられます。プレドニゾロンに換算すると2.5mg相当のステロイドを含みます。内服のステロイドは長期に用いると骨粗鬆症や免疫力低下、うつ傾向などの様々な副作用が懸念されるため連用はお勧めできません。(ステロイドの点鼻・点眼・吸入では血中への吸収量は少なく、全身の副作用はそれほど気にしなくても大丈夫です。)

点鼻薬(ステロイド剤、血管収縮剤を含むもの)

ステロイドの点鼻薬は鼻粘膜でのアレルギー反応を抑え、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなどの症状を改善します。内服のステロイドとは異なり、血中にはほとんど入らないよう改良されています。非常に効果が高く副作用も少ないのですが、鼻詰まりがひどくなってからでは薬が奥まで届かないため効きにくくなります。鼻詰まりがひどくなる前に使い始め、簡単にやめないようにするのが大切です。
血管収縮剤入りの点鼻薬は使ってすぐに鼻詰まりを改善する効果がありますが、使い続けているうちに点鼻薬性鼻炎・薬物性鼻炎と言われる状態を作ってしまいかえって鼻詰まりがひどくなるためお勧めしません。市販の点鼻薬にもこの成分を含むもの多いため注意しましょう。

点眼薬(抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬)

上記の内服薬でも目のかゆみがある程度軽減されますが、かゆみが残る場合には抗アレルギー点眼薬、それでも効果が不十分な場合にはステロイド点眼薬を用います。

舌下免疫療法(スギ花粉・ダニ)について

舌下免疫療法のイメージ写真

スギ花粉・ダニによるアレルギー性鼻炎・結膜炎等に対する舌下免疫療法を保険診療で行なっております。アレルギー原因物質(アレルゲン)を少量ずつ投与し続けることで、症状を抑える(過剰に反応しないように慣らす)治療です。減感作療法とも呼ばれます。治療開始前に血液検査でアレルギーがあることを確認します。スギ花粉に対しての治療開始時期は花粉の飛散が見られない6月から11月末までになります。

臨床試験の結果では、およそ20%の方で症状が消失、60%の方で症状が軽減、20%の方には効果がありませんでした。治療は3年から5年、毎日治療薬を飲み続ける必要があります。
薬は舌の下に1-2分間保持した後に飲み込みます。その後5分程度は飲食や通院が4週に1度必要になります。治療終了後に再燃する可能性もあります。またこれまでは舌や口腔内の腫れやのどの痒み、頭痛、蕁麻疹などの副作用の報告のみですが、重大な副作用が生じる可能性も否定できません。

治療の流れは、初回受診時に症状の確認と、スギ花粉もしくはダニについてアレルギーの血液検査を行ないます。他院の検査結果があればお持ちください。診断確定後、初回の服用のみ院内で行ない副作用の確認を致します。

3割自己負担の場合、血液検査時に5,000~6,000円程度、1か月あたり3,000~4,000円程度の費用となります。

スギ花粉舌下免疫療法について

治療開始時期はスギ花粉症の症状がない6~12月頃になります。3年以上の治療継続が推奨されています。
初回受診時に症状の確認、スギ花粉アレルギーの血液検査を行いいます。他院の検査結果があればお持ちください。診断確定後、初回の服用のみ院内で行ない副作用の確認を致します。
3割自己負担の場合、血液検査時に5,000~6,000円程度、1か月あたり3,000~4,000円程度の費用となります。
対象になるのは5歳以上のスギ花粉症、あるいはダニアレルギーの方です。
妊娠中・重症の喘息の方や、抗がん剤、免疫抑制剤を服用されている場合は治療できません。
花粉症の時期がつらい方、生活(仕事や家事、勉強等)に支障をきたしている方、食物アレルギーも併発している方、受験や妊娠のために体質を改善しておきたい方などにお薦めします。