プリン体と高尿酸血症の関係

プリン体とは食べ物全般に含まれるいわゆる「旨み成分」です。
尿酸とはそのプリン体が体内で分解されてできた代謝産物です。
1日に体内で作られる尿酸はおよそ700mgといわれており、1日で排泄される尿酸の量も700mgといわれております。
つまり体内の尿酸の量は常に一定に保たれています。
体内での尿酸の産生が排泄を上回ると「高尿酸血症」を発症します。

高尿酸血症と痛風の関係

高尿酸血症が続くことにより、関節や腎臓などに尿酸が溜まっていきます。
その結果、急性関節炎や痛風結節、尿路結石、腎機能障害などが引き起こされます。
痛風発作とは、血液中の尿酸が飽和状態になって関節内で結晶として溜まると、異物である尿酸結晶を白血球が除去しようとして関節で起きる炎症のことをいいます。
そして針状の結晶が体中で溜まっていき、特に足の親指の付け根までいくと赤く腫れて激しい痛みを引き起こします。
これが「痛風」です。
この痛みはとても強く、多くの患者さんはこの強い痛みによって初めて医療機関を受診されます。
また、最近では血中の高尿酸状態は心血管障害や腎不全、動脈硬化の原因になることもわかってきており注意が必要です。

高尿酸血症と痛風治療

高尿酸血症の治療につきましては、まず尿酸値を下げることが大切です。
それには食事療法として、尿酸のもととなるプリン体や糖質を多く含む食品の摂取を控える必要があります。
なお、プリン体を多く含む食材は以下の通りです。

  • レバー類
  • 干し椎茸
  • 魚卵類
  • えび
  • 鰹や鰯
  • ビール等のアルコール飲料 など

食事療法により、改善を認めない場合や非常に高い尿酸値の場合、あるいは痛風発作を認める場合等では尿酸の生成を抑制する薬のほか、尿酸の排泄を促す薬を服用します。