脂質異常症と動脈硬化について

脂質異常症とは、血液中の脂質が過剰になっている状態の生活習慣病です。
血液中の脂質が過剰に増えても症状を自覚することがほとんどないため、脂質異常症の治療をせずに放っておいている方も多くおられます。
そうすると脂質が血管の内側に溜まっていき、動脈硬化を引き起こすことになり、最終的に心筋梗塞や脳梗塞等の重篤な病気をも引き起こします。

脂質異常症の原因

脂質異常症の原因は、生活習慣、特に食生活が大きく影響しています。
高いカロリーの食事は血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増加させ、過酸化脂質を増加させます。
そこで脂質異常症は、生活習慣全般を見直すことが予防につながります。
少しずつ脂質異常症の原因となる生活習慣を見直していくことが大切です。

脂質異常症の治療

まず心臓の動脈硬化等がない場合、脂質異常症の治療は生活習慣の改善と薬物療法となります。
生活習慣の改善は、血液中の脂質を低下させるだけではなく、動脈硬化の進行を防ぐことが目的です。
そのため動脈硬化をつながる他の生活習慣病、特に高血圧や肥満等も改善していくことも合わせて考えていきます。

生活習慣の改善の主な内容は

  • 食生活の改善
  • 適度な運動
  • 禁煙
  • 適正体重の維持

等です。

上記の中でも特に重要なのが食事で、これは適正体重の維持とも深く関わってきます。
どうしても生活習慣が改善できない患者さんや生活習慣を改善しても血中脂質の数字が下がらない場合には、 動脈硬化、さらに心筋梗塞や脳梗塞へと進む危険性が高くなるので、薬物療法を検討します。

脂質異常症を予防するために

脂質異常症の原因の8割以上が上述の通り、生活習慣に関連した原因が重なって発症します。
具体的には過食、高脂肪食の摂取、運動不足などの生活習慣や、それによる肥満が原因となります。
つまり、食事と関係した原因がいちばん多いといえます。
そこで脂質異常症を防ぐにはまず食事に気を配って、食生活を適正にすることが特に重要となります。